セミナー講師 石井's view
セミナー講師のご紹介
石井 栄造
有限会社アウラマーケティングラボ代表取締役社長マーケティングリサーチコンサルタント
有限会社オフィスコキリコ顧問
【略歴】
(株)インテージ、(株)ビデオリサーチ、(株)ガウス生活心理研究所で、定量・定性・観察・エスノなどリサーチのあらゆる方法を経験。
クライアントの課題にリサーチをキーに解決策を提案している。
リサーチャーとクライアントのためのアウラ・コキリコセミナーを主催。
【最新著書】
石井's view
アウラ・コキリコセミナー講師 石井の感想・意見を掲載しております。
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2017年10月23日
第6回アウラ・コキリコセミナーまとめ
1.ユーザージャーニー
想定した通りのユーザージャーニーらしいユーザージャーニーは観察できなかった。
少し強引にユーザージャーニーを設定してみる。対象は「調理の素」全般。
ユーザージャーニーの起点は購入=店頭
買い物かごから移す | → ストックとすぐ使うに分岐 | → すぐに使うはここでEND | → 次回購入ジャーニーへ |
→ ストック棚に収納する → |
何があるかわかるように並べる → 商品名がわかるように → 賞味期限の順
このストックを見る ← メニューに悩んだ時
悩んでいるメニューが | 主菜 | → 調理の素は主菜にはなりづらい | |
副菜 | → 豆腐、ナスなどの素材をチェック | → 冷蔵庫開けるor記憶 | |
→ 素材がなければ却下が多い | ← わざわざ素材を買いに行かない |
ストック棚から取り出して使う → END → 次回購入ジャーニーへ。
ストック棚の在庫切れ認知 → 次回の購入契機 → 次回購入ジャーニーへ。
使ったものの在庫補給意識は弱く、調理の素全体で、「安いときに買う」 → ブランド意識は弱い。
以上から、購入後のユーザージャーニーのタッチポイントとして「ストック棚」「ストック場所」がある。
このタッチポイントの特徴は、
- ・商品名(メニュー種類)がひと目でわかる本棚(背表紙)のように並べられる
- ・賞味期限がわかるように並べられる
- ・ひと目で見られる → 蓋、扉はいらない
の3点である。
ストックを見る時のユーザーの心理状態は少し「追い詰められて」いるので、見て即断できるようにアシストすべき。
ここから考えられることは、
- ・メニュー別に箱の大きさは替えない
- ・箱入りにして本棚のようにストックできるようにする
であるが。
Cookdoが、調査で「外箱は無駄、無くしてその分安くして」という意見が多くても外箱を止めない理由が納得できる。
また、ストック棚プレゼントやストックアプリプレゼントなどのキャンペーンも考えられる。
2.協働インタビュー
対象者2人に即席のペアになってもらい、お互いの会話(モデレーターと対象者の役割を適宜交替してもらう)からリサーチテーマに迫る。という方法をトライした。
結果はうまく行かなかったので今後の検討テーマとしたい。
課題を列挙する
- ・インタビュー会場でいきなり言われても理解できない → リクルーティング段階でどこまでお願いするか
- ・内容の説明が難しい。特に対象者とモデレーターの入れ替わりとモデレーター=分析者の役割が理解できない。
- ・話しを「盛っていい」ということも説明・理解が難しい。(事実だけでなくストーリーを作ってくれが難しい)
- ・会話だけでなく具体物を提示(例えばこちらがあらかじめ作ったペルソナを提示するなど)が必要。
- ・振り返りインタビュー、悉皆思い出しなど要求が多すぎた。(うまく依頼できていなかった)
CGMも言われてからだいぶ経つが実現はなかなか難しい。
相変わらず、供給サイドが企画・制作・提案(発売)して、消費者はただ受容するか、無視するかで意思表示するとの20世紀型マーケティングである。
CGMと20世紀型の中間にマーケティングの可能性があると考えている。
それをサポート・協働できる「消費者を巻き込んだリサーチ」の可能性を実験していきたい。
以上
PDFファイルでも同じ内容がご覧いただけます。
2017年10月21日
3人インタビューの発言録をテキストマイニング
テーマ: 冷凍チャーハンとチャーハンの素の使い分け
分析結果
- チャーハンは個食か子どもと2人だけのシーンが多い
- 今日は手をかけたくないときに「冷食」が選択され、その後メニューに行く
- 冷凍かチャーハンの素かという選択シーンは存在しない
- チャーハンの素が手作りチャーハンとなっている。いちから手作りの頻度は極めて低い
- チャーハンは冷やめしがある時とは限らない。あったかいご飯でも作る
共起ネットワーク
クラスター分析
いちから手作りするチャーハンとそれ意外が最初に分割される。 → いちから手作りは特殊な場合
次に冷凍と素の普段使いのチャーハンとそれ以外が別れる
PDFファイルでも同じ内容がご覧いただけます。
2017年10月4日
ディベートインタビューの試み
第5回アウラコキリコセミナーでディベートインタビューを試験的におこなった。
はっきりした定義はないが、FGIのある場面で、ディベート形式の討論を対象者にやってもらうことをディベートインタビューとした。その目的は、単なるユーザーという立場を越えて当該ブランドの良さを語ってもらうことで「新しい気づき」や「自分の嗜好の論理的な理解・納得」が得られるのでは、ということである。ディベートだから反対派(アンチ)の立場に立っての立論を無理にでも立てるので、一層、理解・納得が深まると想定できる。
実際のディベートインタビューでは、対象者にディベートのルールを理解してもらうことが難しかった。日本人はディベート慣れしていないこともあって、論破や勝ちにこだわって反論やそれに対する新たな立論が感情的になってしまう。あるいは、最初の立論そのものが難しいなど、いくつか問題点はあったが、リクルーティング段階で「ディベートやってもらいます」との情報を与え、ルールを理解してきてもらえばスムースに行きそうである。
ディベートは一種のゲームであるから、ゲーミフィケーションの視点で再考してみたい。(そういえば、ゲーミフィケーションは今や死語?)
ブログ「auraebisuの日記」より転載。
2017年8月23日
3人インタビューの可能性
第4回アウラ・コキリコセミナーで3人インタビューの実験を行った。
その結果の速報。
対象者が3人いればFGIが成立した。
終了後の対象者3人へのフォローアップインタビューでも「なんとなく仲間意識ができた」「3人だとだれがどんな人で、どんなことを発言したかを憶えていられる」などグループダイナミックスが働く様子が観察できた。
自己紹介なしで、いきなりテーマの本題部分に入ったが対象者は違和感なく入り込めたとした。このいきなりテーマ効果で時間短縮が実現できた。
周辺話題からテーマに入るより、テーマから周辺情報(家族構成などデモ特性を含めて)を得た方が効率的だし、対象者に余計な緊張感を与えない。
(いきなり家族構成などプライバシー情報を聞かれると構える)今回はあるクライアントさんの好意で現実にかかえている問題をテーマにしたが、結論や周辺情報は60分でもれなく収集できた。
1時間で1グループできれば、週日の夜7時から8時と8時半から9時半で2グループ実施できる。
2時間のFGIでは1grが限度だし、4人のミニグルイン2gr実施だと時間配分が慌ただしくなる。
今後我々は、「3人FGIを1時間、週日夜2gr実施」を提案していきたい。
ブログ「auraebisuの日記」より転載。